「おーい、ちょっと来てごらん。」 
「え、なになに?」

そう言葉を交わす二人は、付き合ってだいたい1年になるカップル。 
時は流れど、二人の間に流れる愛情は変わらず、いや、日ごとに深みを増していく幸せな二人だ。 
そんな二人が付き合い始めてから、初めてのクリスマスがやってきた。


「今日は君に、クリスマスプレゼントを用意したんだよ。」 
「素敵!もしかしてこれって…指輪!?」 
「大当たり!しかも、君だけの、世界でただ一つの指輪さ。」 
「開けてみても…いい?」 
「もちろん。」

ただこの二人は共通して、ちょっとだけ変わった趣味を持っていた。

「開けるよ…えいっ!」 『パカ』 
「ゆんやぁああああああああああああ!たしゅけちぇええええ!」

それは…ゆっくり虐待であった。


「わぁ…すごい!指輪に赤ゆがついてる!」 
「ふふふ、びっくりした?」 
「うん!こんなの初めて見た…すごぉい…」 
「ゆやぁああん!みゃみゃどきょおおお!?」

うっとりと指輪を眺める女性。指輪の上には宝石の代わりに赤れいむが乗っており、 
常に悲鳴を上げている。 
その悲鳴もまた、女性を恍惚とさせる一因であった。 
この二人は、虐待による悲鳴を快楽とできるほど上級者なのだ。

「ところでこれ…どういうものなの?あなたのことだから、ただ単に 
 赤ゆを指輪に乗せてはい終わり、なんてものじゃないんでしょ?」 
「うーん、君は鋭いなぁ…まぁ、僕の指示通りに試してみてよ。きっと気に入るからさ。」

じつはこの指輪、かなりの値段がかかっているのだ。男性は加工所の研究室に勤めており、 
研究の一環として自費でこの指輪を開発したのだが、開発費用は指輪にしてはかなり高値であった。

「じゃ、指輪を指にはめて…」 
「あ、ぴったり!私の指のサイズなんていつ調べたの?」 
「まぁまぁそこは彼氏だし…よし、はめたね。じゃあまずは、指をグーパーしてみて。」 
「こう?」 『にぎにぎ』 
「ゆ、ゆぎゃぁあああああ!からだのなきゃがいちゃいいいい!」 
「なになに!?どうしたのこれ!?」 
「君の薬指が動くたびに、こいつに激痛をあたえるのさ!」

目を少女のように輝かせる女性の質問に、満面の笑みで答える男性。 
指輪の上部には特殊な装置がついており、それは中枢餡をを傷つけないようにして 
赤れいむの体内に張り巡らされている。 
そして、装置は女性の指の動きに連動して動き、体内をかき回し赤れいむに耐え難い激痛を与える。

「へぇ…おもしろーいこれ!」 『にぎにぎにぎにぎ』 
「ゆっぴいいい!ゆんやぁああああ!」 
「まだまだそれだけじゃないよ!次は、思いっきりデコピンしてごらん。」 
「え…でも、赤ゆだと潰れちゃうわよ?もったいない…」 
「騙されたと思って!さぁ」 
「う、うん。そりゃ!」 『バチィン!』 
「ゆびょおお!やめちぇええ!」 
「あれ…潰れない…」 『バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチィン!』 
「ゆぴゆぴゆぴゆぴゆぴゆぴゆぴゆぴゆぴゆぴゆぴゆぴゆぴゆぴぃいいい!」 
「驚いた?こいつはね、普通のゆっくりよりもずっと丈夫にできてるんだよ。」

この赤れいむは加工所の強化加工により、女性のデコピンくらいでは潰れない。 
それどころか、あれだけ痛めつけられたというのに、その肌には痣すらできていなかった。

「これなら虐めたい放題というわけね!」 『バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチィ…』 
「ゆ…ゆぅぅう…」 
「ってあら…これ大丈夫なのかしら」 
「ゆ、ゆべぇええええ」 
「あ!餡子吐いちゃっ…て…ない。」 
「もちろん、対策済みさ!」

お次は、餡子硬化加工である。これにより餡子の流動を抑え、餡子を吐いて失餡死、という事態を避けることができる。 
さらに、うんうんやしーしーや涙の排泄も不可能になっており、それによる餡子の減少も抑えられる。 
この加工をされた赤れいむは移動が不可能になっているが、永久に指輪の上なので問題はない。 
これらの加工により、叫んだり、最低限の活動維持にしか餡子を消費しないため、時折餡子を補充するだけで永久に稼働する。 
赤れいむはもはやゆっくりではなく、激痛に悶え叫ぶだけの機械と化していた。

「そんなことまでできるなんて流石は私の自慢の彼氏だわ♪」 
「よ…よせやい…照れるじゃないか。」 
「ゆっぴぃいいいいん!みゃみゃはやくきちぇええええ!」

赤れいむの悲鳴をBGMに、熱い抱擁を交わす二人。赤れいむ付きの指輪を女性がしていることを除けば、 
いたって普通の幸せなカップルである…と、そこで事態は急変した。

「ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ」 
「あ、あれ?これって、まさか…」 
「もっちょ…ゆっきゅり…しちゃかった…」 
「あ、あぁあー!どうしよぉー!」

度重なる虐待に赤れいむの精神は耐え切れず、ストレスによりショック死してしまった。 
涙目の女性だが、男性はかえって満足げである。

「あぅう…ぐすっ…ごめんねぇ…」 
「いいからいいから。」 
「でも…せっかく貰ったばっかなのにぃ…」 
「ここからが本番なんだよ。」 
「…ふぇ?」 
「まぁ、もうちょっとだけ待ってね。最高に面白いものが見れるから。」 
「???」

そういいながら女性を宥める。男性のいう面白いものとは…

『バチッ!』 
「え?」 
『バチバチッ!』 
「な、なに?何の音?」 
「…ゆ…」 
「!?」 
「ゆ…ゆぅう…きょきょは…?」 
「い…生き返ったー!?」 
「ゆっぴぃいいいい!?にゃんでここにいりゅのぉおお!?」 
「ふっふっふ…それがこの指輪最大の特徴…赤れいむ復活装置さ!」

なんと息を吹き返した赤れいむ。生前の記憶も残っているようだ。 
驚いて手をぶんぶんさせる女性の動きに連動した装置が、復活早々激痛を与える。 
先程の音は、赤れいむの体内に電流が流れる音である。 
電流を流す装置は赤れいむに激痛を与える装置に内蔵されており、 
赤れいむの活動停止を確認すると直ちに電流を流す。 
ちなみにそのための電力は太陽光で補充可能。とってもエコだ。

加工所による近年のゆっくり研究の中で、最大の発見。それが、ゆっくりの復活である。 
ゆっくりの餡子に、特定の大きさの電流を、一定の間隔で流す。 
すると、一度は死んでしまったゆっくりでも、再び息を吹き返す。 
個体の大きさや種類により、流す電流の大きさと間隔も違い、 
また体内の餡子が減っていない、中枢餡が傷ついていない、と条件は厳しいので 
まだまだ目下研究中の技術だ。値が張るのもうなずける。

その技術に、倫理を問う加工所所属の研究者もいるにはいたが、 
もともと生きているかどうかも怪しい不思議饅頭。何が起こっても不思議ではないということで 
あっさりその問題はなかったことにされた。

「そ…それでさ…」 
「ん…?どうしたの?」 
「僕と、結婚してくれないか!」 
「!!!」 
「ゆんやぁああああ!」

突然のプロポーズ。女性は口を手に当て固まってしまった。 
しばし、赤れいむの悲鳴のみが響いた後…

「…はい!喜んで!」 
「あ、ありがとう!一生かけて君を幸せにするよ!」 
「うん!二人でこの赤れいむ、一生虐待しようね!」 
「もちろんさ!」 
「ゆっぴぃいいいいい!もういやぁああああ!」

さらりとえげつない会話が行われたが、そんなことはどうでもよい。 
晴れてここに、未来の夫婦が誕生したのである。 
二人には、赤れいむの悲鳴はウエディングベルの如く幸福な音色に聞こえていた。

「それじゃあ…」 
「うん…いいよ…」

熱いキスを交わした後、そのままベッドに倒れこむ二人。お盛んだ。 
もちろんこの二人は、赤れいむの悲鳴をBGMにふじやまをぼるけいのさせるのだが、 
その描写は二人の名誉のために割愛させていただく。 
この二人が、これからどうなるか。それは…

「ゆんやぁああ!ゆんや、ゆんや、ゆんやぁああああああ!」

この赤れいむが、この二人に末永く虐待を受け続けた…と言えばお分かり頂けるだろうか。

ゆんやモンドは永遠に輝き続ける…二人の愛がある限り。










「で、これがあんたの彼から貰った婚約指輪…ねぇ。」 
「うん!すっごいでしょ!?流石私の彼氏だわ!」 
「もっちょ…ゆっきゅり…『バチッ!バチバチッ!』ゆ、ゆゆっ!?」 
「…はぁ、もう。いい?友人として、ひとこと言わせてもらうわ…」 
「ん~なにかな~?あげないよ~?」 
「…正直これは…ないわー。」 
「…がーん!!」

【おわり】