二匹のゆっくりが対峙していた。


一匹はゆっくりまりさ。 
いくつもの古傷がありながらもモチモチとした健康的で強靱な肌は、そのまりさの狩りの 
能力が高いことを伺わせる。 
まりさは口にくわえた棒を地に突き立て、全身で引き絞るという異様な構えを取っている。 
無明餡流れ。 
そこから放たれる逆袈裟の斬撃は、ゆっくりの胴を切り裂き両目を抉る。 
明かりを奪い、出餡させずにはおかないゆっくり最強の秘剣である。

対する一匹は、ゆっくりありす。 
輝く黄金の髪。妖しくつやつやとした肌。穏やかな瞳。 
こちらは構えていない自然体だ。その身体もまりさと比べて一回りは小さい。 
一見、無明餡流れを前にして場違いとも言える佇まいだ。 
だが。 
その瞳の奥には情念の猛き炎が揺らいでいる。 
その背後には黒ずんだ無数のゆっくりの亡骸がある。 
紛れもなく、魔物と呼ぶべき領域に達した恐るべきれいぱーだ。

二匹はぴんと張りつめた空気の中、動かない。 
だがこの対峙は長くは続くまい。あまりにもゆっくりできないこの空気、達人二匹と言え 
どそうは耐えきれない。

そして。 
黒ずんだゆっくりの茎の先から、赤ゆっくりの成り損ねが、落ちた。

その音とも言えぬ音を合図にありすは飛んだ。 
目は情欲に染まり垂れ下がり、全身が粘液にぬめる。 
変化は一瞬。あまりにも急速なれいぱー化である。 
無明餡流れは間合いに入ったものを委細構わず切り捨てる。その斬撃が描くのは、ゆっく 
りには回避不可能な必中の軌跡。 
既にまりさに飛びかかるありすに、空中で身動きできぬありすにかわすことなどできるの 
だろうか。

できる。 
できるのだ。

れいぱー特有の、全身を覆う粘液。これは饅頭肌の柔軟性、伸縮力を爆発的に増大させる。 
これによりれいぱーは他種を上回る力を得る。 
しかし、それでもこのときのありすは異常だった。 
歪んだ。全身が平らに歪んだ。 
ゆっくりにあるまじきその急速にして異常な変形は、必中であるはずの斬撃をして捕らえ 
きれぬものであった。 
命まで浴びせかけるような秘剣である。まりさは止まれない。振り抜きの回転はありすに 
背を見せる結果になる。 
すなわち、無防備なまむまむをさらすことになるのだ。 
ありすのぺにぺには過たずまりさのまむまむへ侵入、

「んほーっ!」

コンマ16秒の高速すっきりは、まりさに「もっとゆっくりしたかった」の断末魔もゆる 
さず無数の茎を生やさせ、黒ずませた。 
最小の動きで敵を倒す。濃度を高めた精子カスタードを3ミリグラム注ぎ込めば、ゆっく 
りは死ぬのだ。

まさに神速の魔技。 
その名を、「すっキリング・アーツ」。

× 
× 
×

すっキリング・アーツ。 
その殺ゆ術は、謂われなき迫害を受け続けたありす種によって編み出された、ゆっくり最 
強の武術である。 
すっキリング・アーツでは、人間さんの剣術同様、勝敗を決するのは進退、踏み込み、剣 
速すなわちすっきりの速さの3要素である。 
体格で他種に劣るありす種は過酷な鍛錬によって鋼鉄並の強靱なぺにぺにとコンマ16秒 
という高速すっきりを手に入れた。それによって放たれる精子カスタードは、わずか3ミ 
リグラムでゆっくりを絶命せしめる濃度を有する。 
そしてれいぱーありす特有の、すっきりー時の粘液。これにより獲得した饅頭肌の柔軟性、 
伸縮力が通常のゆっくりでは考えられない進退、踏み込みの速さを生む。 
その習得は困難であり、技術の底はとてつもなく深い。 
だが、それを使いこなしたとき。 
すっキリング・アーツは無敵だ

× 
× 
×

無明餡流れを使うまりさとの戦いから早二ヶ月が過ぎた。

「んっほ! んっほ! んっほ!」

今、ありすは鍛錬を行っていた。すっキリング・アーツを使い手に休息の日は許されない。 
いまありすが行っている鍛錬は「ぺに立て伏せ」である。 
うつぶせに寝ころび、ぺにぺにだけで全身を持ち上げる鍛錬だ。これはぺにぺにの強さの 
みならず身体を支えるバランス感覚を要する過酷なものだ。 
すっキリング・アーツの使い手のみが可能な荒行と言えよう。

「ありす、しょうぶなのぜ!」

ありすに声をかけるものがいた。 
見れば、そこにはゆっくりまりさがいる。そのぼうしの意匠に、ありすはどこか見覚えが 
ある。

「おかーさんのかたきをうつのぜ!」

まりさがおぼうしから取り出した棒を見て、ありすの頬は自然に緩んだ。 
それは、無明餡流れを使ったまりさのものだったからだ。あの時宿った赤ゆっくりが奇跡 
的に生き残っていたのだろう。 
しかし、まりさが取り出したのは棒だけではなかった。奇妙な色をしたキノコだった。

「むーしゃ、むーしゃ、んほーっ!」

まりさはすぐさまキノコを食べ尽くすと叫ぶ。 
声に呼ばれたように、そのぺにぺには雄々しくそそり立った。 
まりさはニヤリと笑むと、棒を口に構えた。

「すっきりんぐ・あーつ、やぶれたり、なのぜ!」

ありすは感心した。 
確かに理には適っている。まむまむなくしてぺにぺに刺せず。ぺにぺにを立たせることこ 
そすっキリング・アーツ最大の防御法であると言えた。 
通常のゆっくりでは戦闘中もぺにぺにを立たせ続けることなどできない。それをこのまり 
さは特別なキノコを食すことで補ったのだ。 
まりさの構えは無明餡流れではない。全身を使う秘剣、ぺにぺにが立った状態では困難な 
のだろう。だが、それでも構えは無明餡流れの使い手に劣らぬ隙のなさだ。 
強敵だ。 
ゆえにこそ、ありすはひるまず飛び込む。 
すっキリング・アーツの無敵を証明するために。

まりさは余裕の表情で迎え撃つ。 
一撃で倒すつもりはないのだろう。ぺにぺに立つ限り自らの敗北は無いはずだからだ。 
だが、甘い。 
すっキリング・アーツの底は深いのだ。

「ゆぐぅっ!?」

まりさの棒が飛ぶ。 
打たれたのだ。鋼鉄のように固いぺにぺにに、棒の根本を強かに打たれたのだ。その衝撃 
だけならまだしも、ぺにぺににまとわりつく粘液はまりさの歯に入り込み、棒を滑らせた 
のだった。 
いきなり武器を失い、まりさは動揺し身を固くする。その隙を見逃すありすではない。

「ゆびぃ!? ゆぶぅ! ゆべぇぇぇぇっ!」

強靱なぺにぺにが次に打ち据えたのは、まりさのぺにぺにである。あまりの痛みと衝撃に 
まりさのぺにぺにはあっと言う間にくたくたにしぼんでしまう。 
それを、ありすは強引に、まりさの体の中へとぺにぺにで押し込んだ。抵抗を失ったぺに 
ぺには容易くまむまむへと変じた。 
そして、コンマ16秒のすっきりーは、まりさを一瞬にして黒ずませ、その命を果てさせ 
た。 
すっキリング・アーツは、やはり無敵だった。

× 
× 
×

「んほっ、んほっ、んほっ」

今日もまた、ありすは鍛練を積んでいる。今の鍛錬も過酷だった。 
「滝行」である。 
雨あがり、木々の葉からしたたり落ちる雫。これをぺにぺにで受け止めるのである。 
一般にゆっくりは大量の水に弱いとされている。ぺにぺには常に粘液にさらされる部位で 
あるため、水分には耐性がある。 
それでもこうして水滴に晒すことは危険極まりない。一瞬でもぺにぺにを緩めれば、打た 
れる水とその水分によりグズグズになってしまうだろう。命がけの鍛錬だった。 
すっキリング・アーツの使い手のみが可能な荒行と言えよう。

「ありす、しょうぶなのぜ!」

ありすに声をかけるものがいた。 
見れば、そこにはゆっくりまりさがいる。そのぼうしの意匠に、ありすはどこか見覚えが 
ある。

「おかーさんと、おかーさんのおかーさんのかたきをうつのぜ!」

まりさがおぼうしから取り出した棒を見て、ありすの頬は自然に緩んだ。 
それは、無明餡流れやキノコを使ったまりさのものだったからだ。あの時宿った赤ゆっく 
りが奇跡的に生き残っていたのだろう。 
こんどのまりさは……。

「まりさには、すっきりんぐ・あーつはつうようしないのぜ!」

ぺにぺににあたる部分が醜くただれていた。 
おそらくは自ら去勢したのだろう。ゆっくりにとって、すっきりーはとてもゆっくりでき 
ることだ。すっきりーのみならず、赤ゆっくりを生み、あるいは生ませることは、ゆっく 
りにとって最大のゆっくりのひとつだ。それを捨て去ったまりさの覚悟は推して知るべし、 
である。 
取り出した棒を構えた姿もその覚悟に見合う堂々としたものだ。 
強敵だ。 
ゆえにこそ、ありすはひるまず飛び込む。 
すっキリング・アーツの無敵を証明するために。

まりさは決死の表情で迎え撃つ。 
一撃で倒すつもりはないのだろう。ぺにぺにのない自分はすぐに倒されることはないとは 
言え、相手も条件は同じ。これからはお互いの力を尽くし合う長い死闘が覚悟しているの 
だ。 
だが、まりさの覚悟は裏切られる。 
すっキリング・アーツの底は深いのだ。 
一撃目をかわしたありすは、まりさが夢想だにしない行動をとった。

ぺにぺにを、まりさのあにゃるに突き込んだのだ。

「な、なにをするんだぜーっ!? ん、ん、んほぉぉぉ!?」

絶え間ない強烈な振動。あにゃるへの壮絶なピストン。 
それらがまりさを未知の領域へと引きずり込んだ。未知の領域――得体の知れぬ、底なし 
の快楽の世界へと。 
まむまむを失い、すーりすりでも発情しなくなったはずのまりさが、餡子の奥からわき上 
がる快感に身を灼かれようとしていた。

「んほ、んほぉ、んほぉぉ! やめるんだぜぇぇぇ!」

どんなにもがき、逃れようとしても逃げられない。鋼鉄のごとく鍛えられたぺにぺには、 
あにゃるひとつを押さえるだけでまりさの動きを完全に奪っていた。

「んほぉ、んほぉ、んほぉぉぉぉぉ!」

やがてまりさは快楽に溺れ始める。 
そして、変化が始まった。 
あにゃるからの快楽。しかし、本来快楽を受け取る最大の部位、ぺにまむは失われている。 
ゆっくりは思いこみのナマモノである。思いこみは時にその身体の機能すら作り替える。 
ありえない快楽は、それをより得たいと、得られるはずだという「願望」によりあにゃる 
に一つの機能を与えた。

すなわち、受精の機能である。

注ぎ込まれた特濃精子カスタード3ミリグラムは、あにゃるを通してまりさを一瞬にして 
黒ずませ、その命を果てさせた。 
すっキリング・アーツは、やはり無敵だった。

× 
× 
×

ありすは、黒ずんだまりさを見た。 
いくつも生える草と茎。その中のひとつ、一本の茎に赤ゆっくりがなっている。母体の状 
態からして生き残るかはわからない。 
だが、もし生き残ったならば。 
おそらく今までのまりさ達と同じように餡子から受け継いだすっキリング・アーツの知識 
を元に、対抗策を練ってありすへと向かってくるだろう。 
それでいい、とありすは微笑む。 
すっキリング・アーツはれいぷの手段ではない。闘法だ。その呪われし闘法に取り憑かれ 
たありすには、もはやただのゆっくり相手では満足できない。より強大な敵が必要だった。 
そのためなら自ら敵を生み出しもする。

より強くなるために。 
より高みにのぼるために。 
よりすっきりーするために。 
目指す場所は、もはや狂気の域にある。

すっキリング・アーツは正気にして成らず。 
すっキリング・アーツはすっきりー狂い――すなわち、スグルイなり。

【おわり】


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挿絵