「ゆんやぁぁぁぁ! こないでーっ!」 
「んほぉぉぉぉ! にげるなんて『つんでれ』ねぇぇぇぇ! いいわぁ、とかいはなあい 
をおしえてあげるわぁぁ!」

森の中。逃げるゆっくりまりさと、それを追うれいぱーありす。 
※スレのこのレスに触発されて、というかネタをもらって書きました
ありすがれいぱー化するのは寄生虫が原因だというネタを思いついた 
他のゆっくりには無害だが、ありす種のみに中枢餡に寄生して 
自分の宿主を増やそうとありすを発情させる、みたいな

まりさは必死逃げてどうにか今まで追いつかれずにいるが、れいぱーありすの異常な性欲 
に支えられた体力にには敵わない。追いつかれるのは時間の問題だろう。 
野生ではありふれた光景である。これもまた、大自然の営みと言えた。

「おまちなさい!」

だが、そこに割り込むものがいた。 
赤のフレームを白いフリルが飾る上品なカチューシャ。 
陽光に溶けるように輝く、蜂蜜のような金髪。 
抜けるように白い、モチモチとした肌。 
澄んだ蒼い瞳は慈愛に溢れ、微笑む口元は気品に満ちている。 
ゆっくりありすだ。 
だが、ただのありすではない。 
このありすこそ、れいぱーありすを打倒する存在――れいぱーキャンセラーありすなので 
ある。



れいぱーキャンセラーありす



ありす種は、その多くがれいぱー化するが、そうならないないまま一生を終えるものもい 
る。長年の研究の末、その原因が特定された。

寄生虫「カスターどれい」。

ゆっくりありすの中に寄生し、その名の通り、カスタードを、すなわちありすを奴隷とし、 
自らの増殖を図る特殊な寄生虫である。 
その特徴は、ありす種の中でしか成長しないことである。他種のゆっくりのなかでは卵の 
ままで過ごし、精子餡・カスタード餡、あるいは赤ゆっくりに入り込み、ゆっくり達の中 
を渡り歩いていく。 
宿主がありすに変わったとき、この寄生虫は卵を破り、活動を開始する。 
宿主ありすが未成熟な間はこの寄生虫の活動はおとなしい。ひとつの「思想」をありすに 
刷り込むだけである。

すなわち、「とかいは」である。

ありす種がことあるごとに口にする「とかいは」は、実はこの寄生虫の作用によるものな 
のだ。 
ゆっくりは通常「ゆっくり」をその行動の指針とするが、ありす種はこの「とかいは」を 
それとする。 
とかいはな住居、とかいはな食事、とかいはな行動――これは全て、生存確率を高めるた 
めだ。とかいはな住居は即ち暮らしやすく安全な住居、とかいはな食事は即ち栄養豊かな 
食事だ。これはゆっくりという種のなかでも重宝される。 
これらのことにより、「カスターどれい」は宿主ありすを安全に生かそうとするのだ。

そして、宿主ありすが繁殖に充分な成長を遂げたとき、「カスターどれい」は本格的な活 
動に移る。 
大量に卵を出産、そして宿主ありすの中枢餡に働きかける。強烈な性欲の発生、「ゆドレ 
ナリン」の大量分泌による身体能力の大幅な強化を促す。

すなわち、「れいぱー化」である。

れいぱー化により、宿主ありすは性欲に駆られ、他のゆっくりを犯す。その際、全ての行 
動を「とかいはなあい」を主張して肯定するのは「カスターどれい」のすり込みの成果だ。 
れいぱー化には個体差があり、れいぷ相手を犯し殺してしまう場合がある。しかし大抵は 
多くの赤ゆっくりを実らせれば満足し、一時的に平常状態に戻る。こうして「カスターど 
れい」は数を増やしていくわけである。

そして、さらなる研究の結果、この寄生虫「カスターどれい」を喰らう寄生虫が生み出さ 
れた。 
寄生虫「れいぱーキャンセラー」である。

× 
× 
×

「んほ! んほ! んほぉぉぉぉ!」 
「じゅーぽ、じゅーぽ! ごーく、ごーく!」

まりさを追っていたれいぱーありすは、れいぱーキャンセラーによって阻まれた。その猛 
るぺにぺには、今やれいぱーキャンセラーの口の中である。 
れいぱーありすはその溢れる性欲を滾らせ思うまま乱暴に突くが、れいぱーキャンセラー 
は献身的に受け止めていた。

ぺにぺにをやさしく包み込む、やわらかな唇。 
時に激しく、時にゆるやかにぺにぺにを慰める舌使い。 
そしてれいぱーありすの狂気をじっと見つめる、上目遣いの慈愛に満ちた瞳。

やがて、れいぱーありすの狂騒は収まり、正気へと返っていった。 
正気になったありすの見たものは、自分のぺにぺにをくわえるれいぱーキャンセラーと、 
事の成り行きについていけず、呆然としたゆっくりまりさ。

「ああ、ああ! ありすはなんてことを!」

かつてれいぱーだったありすは、自らの行いを恥じ、悔いる。 
そんなありすに、れいぱーキャンセラーは慈愛の微笑みで語りかける。

「だいじょうぶ。ゆっくりはあやまちをおかすもの。でも、あやまちはつぐなえる。あり 
すたちには『とかいはなあい』があるのよ」 
「とかいはな、あい……でも、それで! そのせいで! ありすはあんなけがらわしくて 
ひどいことを……!」 
「それはあなたがまちがった『とかいはなあい』をもっていたからよ」 
「まちがっていた……?」 
「そう。でもあなたはめざめた。わたしとおなじ、『しんのとかいはなあい』にめざめた 
のよ! さあ、いまこそ『しんのとかいはなあい』をともにひろめにいきましょう!」

どん底におちたありすは、れいぱーキャンセラーの救いの声に心酔した。 
「しんのとかいはなあい」。なんとゆっくりした言葉であることか! 
ありすは改心し、れいぱーキャンセラーと共に旅立つことを心に決めた。

「こわがらせてごめんなさいね」

ありすはゆっくりまりさに心から謝ると、れいぱーキャンセラーと共に旅立った。 
「しんのとかいはなあい」をゆっくり中に広めるために!

ゆっくりまりさは一部始終まったく理解できず、ただ呆然と見ていた。 
正気に返ると、群れへ戻りこのことを伝えた。

やがて、れいぱーキャンセラーはれいぱーありすからゆっくりを救う聖女として、ゆっく 
り達の間で伝えられるようになった。

× 
× 
×

寄生虫は、害になるばかりではない。種類によってはアレルギーを抑えるなどの正の効用 
も認められている。 
これは「カスターどれい」にも当てはまる。正の効用は、前述したようなありす種の生存 
確率を高めることだけではない。

実は、ゆっくりという種全体を保護する働きをしているのだ。

ゆっくりは、時に過剰に数を増やし種の存続を脅かすことがある。こうしたとき、れいぱ 
ーありすは通常より活性化し、その性欲でゆっくりを犯し殺すことで数を減らす。 
ゆっくりは、時に大幅に数を減らし種の存続を脅かすことがある。こうしたとき、れいぱ 
ーありすは通常より活性化し、その性欲でゆっくりを犯し孕ませ数を増やす。 
つまり、種の総数の調整役になっているのだ。「カスターどれい」はありす種との共存と 
言うよりもっとひろく、ゆっくりという種と共存していると言える。

だが、「れいぱーキャンセラー」は違う。 
これは「カスターどれい」殲滅のため、ひいては野生のゆっくりの殲滅のため、人工的に 
生み出された寄生虫なのだ。

この寄生虫は宿主のありすを「しんのとかいはなあい」に目覚めさせる。これは高潔な理 
想で、しかし生存の役には立たないものである。 
そして「れいぱーキャンセラー」の宿主ありすは、れいぱーありすを見つけるとぺにぺに 
を刺激し精子カスタードを吸い上げる。その際、「れいぱーキャンセラー」はれいぱーあ 
りすの中に侵入、「カスターどれい」を喰らい尽くし、新たな寄生虫として居座る。 
「カスターどれい」の絶滅によってすぐさまゆっくりという種がなくなることはないだろ 
う。だが、いずれ破滅の時が来る。


偽りの聖女、れいぱーキャンセラーありす。 
人間によって放たれた、野生のゆっくり種の殲滅者。 
それは今もれいぱーありすに接触し、自らの仲間を増やしている。


【おわり】

anko0082
挿絵:M1あき