人間の赤ん坊が生れ落ちたその瞬間に泣き叫ぶのは 
しあわせに満たされた母胎から排出された事を嘆いているのだという 
悲観的なんだか変態チックなんだか良くわからない説がある。 

「なぁれいむ、おなかの中の赤ちゃんってゆっくりしてるのか?」 

「ゆゆっ!あたりまえだよ!!」 


れいむに曰く、おなかの中の赤ちゃんは 
母胎を務める母ゆっくりの幸せな記憶や知識を見ながら 
とてもとてもゆっくりしている、と言うことらしい。 

「れいむ、お外とお前のお腹の中、どっちが赤ちゃんにとってゆっくり出来るんだ?」 

「ゆゆっ!それはもちろん…」 

…………… 

………… 

……… 

…… 

… 

ゆ~っくり~ゆっくりーー♪ 

「今日も精が出るな、れいむ」 

「おにいさんっ!おはよう!」 

元気良く歌いながら、れいむは日課の運動を再開する。 
番のまりさが急逝してから、れいむの心の拠り所になったのが 
れいむの下腹部を膨らませる赤ん坊の存在だった。 

「ゆっゆっゆ!!」 

溌剌とした表情で砂糖水の汗をかきながら何度も何度も熱心に繰り返す。 
れいむがこの運動を始めてもう1年が過ぎようとしている。 

正直れいむは利口なゆっくりではない。 
生まれた時から根気や謙虚さはあまり持ち合わせない仔だったのだが 
一年前から一日も休まず、眠るか何かを食べている時意外はもうずっと 

?膨らんだ下腹部を庭の煉瓦に叩きつけ続けている" 

「赤ちゃんまだ死なないかー」 

「ゆん…れいむのなかでゆっくりしすぎだよ!」 

ゆっくりしないでね!しんでね! 

ゆっくりらしからぬ事を口にしながら…いや、これが真実ゆっくりらしい姿なのかもしれないな。 
ともあれ、れいむの運動は非常に原始的な堕胎行為だ。 

発端は俺の質問に対するれいむの返答 

「あかちゃんにきいてみないとわからないよ!」 

その時れいむは幸せそうに目を閉じて、胎内の赤ちゃんに心で語りかけて 
『赤ちゃんの声』とやらを聞いたらしい。 

曰く、世界で一番ゆっくり出来るのはれいむのお腹の中であるらしく 
回り全部があまあまで覆われ、本当に何もせずに居るだけで、とってもゆっくり出来るのだという。 

最初俺はれいむが適当こいているのだと思ったのだが 
その会話の後、一月経っても二月経っても胎内の赤ちゃんは産まれて来ようとしなかった。 

最初は『れいむのあかちゃんとってもゆっくりしてるよ~』などと余裕だったれいむも次第に苛立ち始め 
終いには怒って壁に体当たりを始めたのだ。 

『そんなにゆっくりできるところならひとりじめしないでおかあさんもゆっくりさせてね!!』 

最初はその突拍子もない発言に驚いたが 
つまりは、まりさを失って均衡を喪いかけたれいむの精神が最後に縋った拠り所である 
自分をゆっくりさせてくれる筈の赤ちゃんが、自分だけゆっくりしているという状況に 
我慢が限界を迎えたらしい。 

俺はれいむを諭したが、れいむは赤ちゃんを殺してお腹でゆっくりすると言って聞かず 
面倒になった俺は、やるなら庭でやれとだけ命じて 
快諾したれいむをここ一年放置しているという訳だ。 

生活の殆んどを庭のゆっくり小屋でする様になったれいむは最早ペットではない。 
ペットとしてのゆっくりなら、れいむが産んだとても賢いまりさを家で飼っているので事足りている。 

「それじゃ散歩行ってくるから、がんばって赤ちゃん殺せよ。」 

「わかったよ!いってらっしゃい!!」 

「……」 

その姿を暗く沈んだ目で見つめるまりさを、帽子に通したリードで曳いて散歩に出かける 
このまりさの良い所は、自己主張を一切しないところだ。 
狂った母の産道から母が眠っている間に排泄するようにひりだされているのを俺が偶然見つけて 
自分が既に生まれたことにも気づかず凶行を繰り返す母の姿を見続けたせいかも知れない 
少しかわいそうで、それに倍する程愉快だ。 

あぁ、一個だけコイツがわがままを言ったっけ。 

『こどもをうめないようにしてください』と言ったんだ。 

と言うわけでまりさの性器は既に去勢済み、元々そこに凸も凹も無かった様に蓋がされている。 

近いうち、発注しているまむまむを移植してやろうと思う 
LLサイズの特注品だ、赤ちゃんプレイ用とかいう規格で 
栓をしないと日常生活も送れないほど巨大な穴だが 
成体ゆっくりくらいなら余裕で入る事ができるそうだ。 

「お母さんとゆっくり出来るようになるといいな」 

「………うん」 

珍しく返事をするまりさ、かわいいなぁ 
まりさがこの世に排泄されてから、もうすぐ一年 
誕生日プレゼントと言うわけではないが…喜んでくれるだろうか? 
 
【おわり】

========あとがき============
杭なら直接的な虐待になるのですけど 
栓というのは難しかったです。 
またやっつけぎみ。