『うざキモい!?ブサイク泣きゆっくり』 
遺餡子操作によって 
常時号泣モード、かつ 
ブ サ イ ク な泣き顔を実現。 
たっぷりの「ゆ゛んゆんゆ~ん゛」をご提供☆ 
1匹¥50





先日、行きつけのゆっくりショップでこんなゆっくりを見つけた。 
目を見張るばかりの安さ。 
店主に話を聞いてみると、ゆっくりの泣き声が大好きなお兄さん向けに入荷したものの、 
ずっと泣きっぱなしなので『泣かせる楽しみ』が無い、喧しい等の理由で売れずに処分価格になったという。






安いこともありその場で2匹を購入。 
家で飼っているれいむもそろそろ出産しそうな頃合。喜んでくれるだろう。


「ゆぐぐ…ゆっくり、うまれるよ……!」


ブサイク泣きゆっくりを買って家に帰ると、ちょうどれいむが出産している所だった。 
胎生型妊娠。 
俺は慌てて産まれてくる赤ゆをキャッチする体勢をとる。


ポーン!


そんな間抜けな音と共に射出される赤ゆっくり。


「ゆっくぃちちぇいttぎょぶっ!」


最初の挨拶が終わる前に潰す。 
俺が今欲しいのは赤ゆではない。 
出産直後の親ゆっくりだ。


ポーン!


事前のゆっくり検診で産まれてくる赤ゆが2匹なのは分かっていた。 
2匹目もゆっくりしないで潰す。


「ゆkkぷぎゅっ!」


そして今日買ってきたブサイク泣きゆっくりを投入。 
買ってきたその日に役に立ってくれるとは。 
このブサイク達をれいむの子と偽って合わせてやる。


「ゆっ、あかちゃん、ゆっくりしていってね!」 
「「ゆぅぅ…ゆ゛え゛ぇぇぇ~~~~ん!!!」」 
「ゆっ!?れいむのあかちゃん、どうしたの?どこかいたいの??」


本来ならば親に合って最初に言うべき言葉は「ゆっくりしていってね!」のはず。 
それを言わずに泣き続ける我が子。 
どこか異常があると思うのは当然の反応だ。 
れいむは必死にぺーろぺーろやすーりすーりをして赤ゆの体を調べている。 
が、どこにも異常は見つからない。 
それでも泣き続ける。






しばらく我が子の世話を必死でしていたれいむ。 
ご飯を柔らかく噛み砕いて与え、お歌を歌ってあげ、ふかふかのベッドに連れて行ってあげた。 
それでも泣き止まない我が子にれいむは


「どぼじでないでるのぉぉぉぉぉ!!??」


ヒステリーを起こした。


「ゆっくりできないこだね!こんなのれいむのあかちゃんじゃないよ!」


その通り。


「なきやめ!なきやめ!うるざいうるざいうるざいぃぃぃぃ!!」


終いには体当たりして潰そうとまでしている。 
と、そこに番のまりさがかえってきた。


「なにじでるのぉぉぉぉぉぉぉ!!!???」


餌取り(庭で雑草を摘んできただけだが)から帰ってきてみれば、妻が産まれたばかりと思しき子供を潰そうとしている。 
当然の反応だ。 
れいむを体当たりで押しのけ赤ゆとの間に仁王立ち。


「でぃーぶいれいむはあかちゃんからはなれてね!」 
「ゆ゛ぁ゛ぁ゛~~~ん!ゆ゛ぇぇ~~~ん!!!」 
「まりさ、そのこたちはゆっくりできないゆっくりだよ!そこをどいてね!」


れいむから見れば理由もなく泣き続けるゆっくりできない赤ゆだが、まりさから見れば母親に虐待されて泣いているようにしか見えない。


「ゆっくりできてないのはれいむのほうだよ!ゆっくりしないででてってね!」


俺の家なのに勝手に出てっても無いと思うんだが… 
当然、れいむは納得できない。


「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉ!!!」 
「でいぶがあがぢゃんいじめるがらでしょぉぉぉ!!?」 
「「ゆ゛ぇ゛ぇ゛ぇぇ~~~~ん!!!」」


見事に話が噛み合わない。 
こいつら、言葉を話せる意味あるのか? 
赤ゆは未だに泣き続けてるし。






このまま話が平行線では埒が明かない。 
しばらく頭を冷やさせることにする。


「ゆ!おにいさん、あかちゃんをれいむからまもってね!」 
「おにいさん!あかちゃんをつぶすのてつだってね!」


れいむとまりさ&赤ゆっくりに分けて別の部屋に隔離。






~数日後~


「ゆぅ…あかちゃん、どうしてなきやんでくれないの…?ここにはでぃーぶいれいむはいないんだよ?」


赤ゆはまだ泣き続けている。 
初日こそれいむに潰されかけたトラウマで泣き続けているのだろう、と赤ゆをあやし続けていたまりさだが、一晩経ち二晩経ち…それでも泣き続ける子供達に困惑していた。


「おにいさん、あかちゃんどうしてなきやんでくれないのかな…?」


当然だ、そういう風にできているのだから。 
もちろんそんなこと教えてやらない。


泣き続ける理由は分からない、だが『でぃーぶいれいむ』も同じように悩み、ゆっくりできない子達だと結論付けた。 
お前だけはこの子達を見捨てないでやってくれ。 
そんな適当なことを言ってやると、まりさは感極まって泣き出してしまった。


「ゆぐっ…ぐすっ…わがっだよ、おにいざん、ばでぃざ、ぜっだいにみずでだりじないよぉ…」


勝手に感動して勝手にそう宣言して。






~数週間後~ 
勝手に育児ノイローゼに罹っている。 
購入時は赤ゆっくりだった2匹も既に子ゆっくりサイズに成長した。 
それでも泣き続けている。


「「ゆ゛ぇ゛ぇ゛ぇぇ~~~ん!!」」


単純に体がでかくなったためか、泣き声も大きくなっている。


「う゛る゛ざいいいいいいい!!!!」


まりさも最近はしょっちゅうキレるようになった。 
それでもあの日の感動と宣言を覚えているのか、潰すようなことはしない。




父親まりさが育児に奔走しているのにれいむは何をしているんだ。


「お…おにいざん…でいぶがわるがっだでず…もうあがぢゃんいじめたりじまぜん…。だがら、ごはんぐだざい…」


やっべ。 
まりさ&赤ゆチームにかかりっきりでれいむに餌やるの忘れてた。 
前はまりさが庭で狩ってきた物勝手に食ってたからなぁ。 
とりあえず三角コーナーの中にあった野菜クズを食わせてやりながら話を聞く。 
どうやられいむはこの数日間の断食が子供を潰そうとした罰だと思っているらしい。


…うん。これならもう両親揃って住ませても問題はあるまい。 
寧ろ最近不安定なまりさを止めるブレーキ役になってくれるだろう。






~数日後~


「ゆ゛があああああああ!!!!うるざいうるざいうるざいいいいいい!!!つぶじでやるぅぅぅぅ!!!」 
「どぼじでそんなごどいうのぉぉぉぉ!!??」 
「「ゆ゛ぇぇぇぇぇぇん!!!!」」


今日もれいむとまりさの夫婦喧嘩が始まった。 
子供達が泣き叫び、まりさが子ゆっくりを潰そうと暴れ、れいむがそれを止める。 
れいむをまりさ&子ゆっくりと一緒に住まわせてから毎日繰り返される光景。



そろそろれいむも限界だろう。 
夜も昼もなく泣き続ける子供2匹の世話に暴力亭主のなだめ役。 
碌に眠れていないのだろう。 
目の下に隈ができ、普段からノロノロ動くようになってきた。 
れいむがあの日の誓いを破って子ゆっくりを潰すのが先か、止められなくなったまりさが子ゆっくりを潰すのが先か。






どちらにしろれいむには『子供を守れなかった罰』を用意しておこう。



【おわり】




========あとがき============
キリライターあきさんのブサイク泣きゆっくりがかわいすぎて思わず書いてみました。 
ゆっくりはかわいいなぁ。


anko0143

元ネタ:キリライターあき