「おねえさん、れいむ、うんめいのまりさにであったよ。ほら、すごいゆっくりしたまりさでしょう?
れいむ、ひとめみたときにあんこさんがどーきどーきしたよ。だから、れいむ、わかったんだよ。これはうんっめいさんのであいだって」


「なんでおねえさん、ためいきさんをつくの? そりゃあまりさはのらゆっくりでれいむはかいゆっくりだけど、そんなさまつなことはこの、しんじつのあい、のまえではむりょくさんだよ」

「……おねえさんがいうとおり、れいむほれっぽいけどばーじんさんだよ、てーそーさんはしっかりまもっているよ。だから……」

「おうちでくらするーる? れいむうっかりさんだからまりさにせつめいしていないよ。いますぐするね」

「えー、なんでまりさ、いやなの? いっしゅうかんにいっかい、にーがにーがさんをたべないと、おうちさんでくらせないんだよ」

「まいにち、おふろさんにはいっておねえさんにおかざりをあらってもらわないとゆっくりできないでしょう?」

「どうしてわからないの? にーがにーがさんをたべたあとは、おねえさんとくせいのかいかいぐるとけーきさんがもらえるんだよ。とってもおいしいんだよ」

「おふろさんであらってもらって、おかざりさんもあらってもらっているから、れいむこんなにきれいなんだよ」

「なんでわかってくれないの。おねえさんのおうちでくらすには、おねえさんのるーるさんをまもらないといけないんだよ」

「……おねえさん、まりさ、わかってくれないよ。え? れいむがおよめにいけばいいって。まりさのおうちに? れいむはいいけど……」

「れいむ、はこいりむすめさんだから、かりさんができないから、ふーどさんのそれなりあじをまいにちくれる? まりさがとりにきたらもてるだけ、まいにち、それなりあじをくれるの? まいにち、もてるだけ? いちどでもにどでも?」

「れいむ、あいされいむなんだね、おねえさんのあいがうれしいよ」

「でもおよめいりはいっしゅうかんご? よめいりしゅぎょうがひつようだし、まりさのおうちのじゅんびがあるから。そうだね、おねえさんがいうとおりだね。そのあいだまりさはそれなりあじをとりにこないといけないんだね。まりさ、だいじょうぶ?」

「そうだよね、さすがはれいむのうんっめいのまりさだよ。れいむもがんばるからまりさもがんばってね」



 「おねえさん、のらまりさとのけっこんをゆるしてくれてありがとう。れいむおばかだから。なんできんばっじさんがもらえたのかわからないくらいおばかだから、すぐまりさをすきになっちゃうけど、この あい! はほんものだから」

「『れいむ、おばかでごめんねー』? さすがにれいむも、くさってもきんばっじさんだから、それはできないかな」

「……じぎゃくれいむでごめんね。うざいさそいうけさんかも……
こんなれいむをかわいがってくれるのはおねえさんくらいだよ」

「うん、まりさもかわいがってくれるね。でもおねえさんのあいとまりさのあいはちがうとおもうよ」

「まりさがにーがにーがさんとおふろさんをがまんしてくれれば、れいむおよめさんにいかなくてもすむのに」

「うーん、ゆんせい、おもいどおりにはいかないねぇ」



「おねえさん、やっぱりそれなりあじはまずいよ。わかっているよ、のらせいかつでしあわせあじをたべていたら、しっと でころされちゃうかもしれないって。でもやっぱり、それなりあじはまずいよ」

「しあわせあじはしあわせ~!になるけど、それなりあじは、それなりーだよ。そういうものだけど、ほんとうにそうなんだよ」



「まりさ! きてくれたんだね。れいむ、すごくうれしいよ」

「おうち、あたらしくつくってくれたんだ。しんきょさんだね。すごくうれしいよ。あいされれいむだね。しあわせでごめんねーだよ」

「え? だんぼーるさん? あいのすがだんぼーるさん?」

「おねえさん、だんぼーるさんだって…… およめいりのとき、いしょうけーすさんをもっていってくれる? ありがとう、おねえさん」



「まりさ! きょうもきてくれてありがとう。 れいむ、いっしょうけんめい、ふーどさんをたべるれんしゅうをしているよ」

「あいのす! をつくってくれているんだね。れいむうれしいよ。え? くさとはねさん? す、すごくすてきだね、れいむとってもうれしいよ」

「おねえさん、まりさがよういしてくれた…… よめいりどうぐにたくさんのたおるさんをつけてくれるんだね。れいむとってもうれしいよ。あいされれいむでごめんねー」

「……え? まりさとのけっこんをこうかいしていないよ。まりさがだいすきだから」

「ほんとうはちょっとこうかいしてるかも。おねえさんといっしょにいたいのに。れいむ、およめにいくのやだよ」

「こんやく したのはれいむだから、やくそくはまもるよ。だってれいむはきんばっじさんだから」



「まりさ! きてくれてありがとう。 もうかえっちゃうの? またきてくれる? ふーどさん、ぼうしいっぱいじゃあ、たりないの? え? おちびちゃんよう? それはおねえさんがよういしてくれるよ。べつにいらないよ」

「そう、ちょっぞうしておくんだね。あめさんがふったら、おねえさんのところにこれないもんね。まりさのいうとおりだよ。まりさはかしこいゆっくりだもんね。うん、わかった」

「おねえさん、なにかまりさがちがうきがするよ。れいむ、まりっじぶるーさんなのかな」

「うん、なにかまりさからゆっくりしていないにおいがする。ちがう…… とってもゆっくりしたにおいがしてる」

「はじめてあったとき、そんなにおいしていなかったのに」

「れいむをおむかえするから、それでしあわせ!なにおい? れいむうれしくなっちゃうよ。あいされれいむでごめんねー!」

「……うん…… まりさをしんじられない…… きっとふーどさんがそれなりあじさんだからだね。しあわせあじにもどしたらなおるとおもうよ」

「じょうだんだよ、おねえさん。れいむ、およめにいくよ」



「まりさ…… あした、けっこんしきさんだよ。あした、およめいりのときにたおるさんをもっていくよ。きょうはこばなくてへいきだよ」

「さきにじゅんびさんがひつようなの…… ふーどさんもいっぱいもっていったね。うん、すぐおちびちゃんつくれるけど…… うん……」

「おねえさんがかいかいぐるとでけーきさんをつくってくれたよ。れいむとまりさとおなじおおきさの。2つだよ。かいかいぐるとさんはおねえさんのてづくりさんなんだよ。とってもあまあまでおいしいんだよ。あしたもっていくね」

「おねえさん…… れいむおよめにいきたくないよ。なんかむねがざーわざーわするんだよ」

「それなりあじさんのせいじゃあないよ。なんかざーわざーわするんだよ」

「え? 『そんなにおばかじゃあないんだ』 え?」

「……おぼえていないよ。!。まさかれいむ、ばーじんさんじゃあないの。しょうしんしょうめいのばーじんさん。おねえさんがたいこばんをおすばーじんさん。ほんとうだね、よかったよ」

「ばーじんさんじゃあないとれいむのかちがおちるでしょう。れいむはまさかのきんばっじさんなんだから」

「……れいむ、おばかだからねぇ」



「おねえさん。れいむ、おばかでごめんねー」

「わざわざうえでぃんぐけーきさんまでつくってもらったのに」

「まさかのこもちだもんねぇ。えださんのおちびちゃんかわいかったねぇ」

「のらゆっくりにぶすっていわれちゃったよ。れいむ、ぶすじゃあなくておばかなのにね。れいむ、おばかでごめんねー」

「ごべんねぇ、おでーざん。でいむ、まえばみえじゃいがら、まっずぐあるげないよ」

「げっごんずるっで、げっごんずるっでいっだのに。ほがのでいむどずっぎりじで、おじびじゃん。おじびじゃんがいて。でいむ、ずっがりどうげじざんだよ。でいむ、おばがでごべんねー」

「でいむがまりざのおじびちゃんうみだがった。でいむがずっぎりざぜないがら、おざななじびのでいむと。ずっぎりじでおじびじゃん。でいむ、ていそうがだぐっでごべんねー」


「うん、いっばいないたから、すっきりしたよ。れいむ、まりさをみるめがないね。はんせいしたよ」

「うん、にーがにーがさんをたべるよ。しつっれんのあじだね。にーがにーがだねぇ。にーがにーが、にーがにーが」

「ゆ? どうしてかいかいぐるとけーきさんがあるの? うえでぃんぐけーきさんはふたつともおいてきたでしょう?」

「おとといのぶんときのうのぶんでつくってじょうおんほぞんをしておいた? じょーおんほぞん?」

「このけーきさんは、れいむがないているうちにつくってくれたんだね。ちがうよ、しつっれんのあじはにーがにーがさんだよ。このかいかいぐるとけーきさんはおねえさんの、あい!、のあじだよ」

「だってかいかいぐるとはおねえさんのてづくりさんだもん」

「かいかいぐると、じゃあなくてかすぴかいよーぐると?
……かいかいぐるとさんだね!」

「いっぱいむーしゃむーしゃして、いっぱいうんうんして、きょうのことはわすれるよ。れいむ、おばかだからきれいにわすれるよ。れいむ、おばかでごめんねー!」





 初めてこの施設の中に入ってきた。防音壁に囲まれた敷地内はほとんどが雑草に覆われた空き地に見える。こんなあからさまに怪しい施設。町内に建っていたが、見ない振りをしていた。

「ゆっくりだけ(仮)研究所ですか」

もう看板に仰々しく(仮)と書かれているのだから怪しいことこの上ない。この上ないので町内会で選ばれた……押し付けられた役員自分他2人と一緒に見学にきた。

 とりあえずここは俗に言う加工所直営の研究所らしい。

「加工所と書くと頭のいいゆっくりが近づかないんですよ。野良落ちだと漢字が読める個体もいるので」

 雑草の中の獣道を通ってついた建物の中は清潔だった。と言うよりエアーカーテンやら足の消毒やら手の消毒やら、白い防御服みたいなのに着替えさせられるは。

町内会派遣メンバーが着替えたり消毒したりしている間、案内役というのかガイド役の職員が嬉しそうに説明してくれる。(最後の最後に嬉しそうな理由を聞いたら、自分達が初めての一般人の見学だったので張り切りすぎただけらしい)

「研究対象が菌類なので面倒ですいません」

 係員の説明でようやく看板の「ゆっくりだけ」の「だけ」は「茸」だと判る。ゆっくり茸。問題はその下の(仮)だが。

「いや、研究当初は直接ゆっくり茸を食用にしようと思ったんですが、ちょっと不味すぎて食用は無理だと判ったので別のことに使おうとしているので」

 職員に連れて行かれた場所は見学用サンプル置き場というのか、模型置き場らしい。

 はっきり言ってグロい。見学したいと言った時に女性は遠慮して貰いたいと言われたわけだ。

「まず始めにゆっくり茸はゆっくりにとってとても美味に感じる。猫科のマタタビのような効果があるらしく、ゆっくり茸が生えるとゆっくりが勝手に集まってきて勝手に食べます」

 知っている。と言うのかこの研究所が出来てから、定期的に町中の野良ゆっくりがここに集まるのが不気味だというのが見学理由だった。

地面から生えている茸を貪り喰って。いるゆっくり家族の模型。実際はもっと汚らしくうるさく食い散らかしているな。

「食べた後、胞子はゆっくりのあんこの中に留まります。別に胞子が体内にあってもゆっくりの生活には問題がありません。胞子が発芽するのはゆっくりがゆカビで死亡した3時間後です」

 ゆっくりの断面図模型。その餡子の中に綺麗に混じっているこの白い粒が茸の胞子。

 その横のこれが、この崩れた緑色の毛が生えた崩れた固まりはゆカビで死んだゆっくりなのか。

「3時間後から発芽を始めたゆっくり茸は、ゆカビとゆっくりの身体を菌床に変えて3日後に茸として姿を現します」

 ゆっくり茸は完全にゆっくりを菌床に変えてしまうらしい。もうゆっくりの姿はない。どうもゆっくりで言うところの死臭もなくなるらしい。勿論、人間には腐敗臭や茸臭も感じられないらしい。

「そしてこのゆっくり茸はゆっくりを集める匂いを出してゆっくりを誘い出します。そして茸。ゆっくり以外は美味しいと感じない。ので我々はこの残された菌床に目を付けました」

 おーお、茸は捨てたと。

「この菌床を好んで食べるダンゴムシやミミズ等この敷地に放し、ゆっくりの死骸のせいで汚染された土壌を回復させる事が出来るかどうか。と言う研究を行っているので(仮)をつけてみました」

 (仮)の理由が判ったぞ。

「そのゆっくり茸は飼いゆっくりに移りませんか」

 役員が聞いている。

「移っているかもしれませんが、ゆカビで死なない限り発芽しないので、ゆカビ防止剤を使用していれば問題はありません。現にここに出入りした上に、素人の手作りカスピ海ヨーグルトを毎週一回食べていながら、ゆカビにもならず、ゆっくり茸もはえない飼いゆっくりが存在します。職員の飼いゆっくりですが、金バッジれいむです」

 おお、と声が挙がる。金バッジれいむ。れいむにわざわざ金バッジと言う呆れと、金バッジがとれるれいむがいるんだという驚きの混じった声だった。

「ほれっぽくってちょくちょく敷地内のまりさやらみょんと婚約しては、自分についているカスピ海ヨーグルト菌を移してしまってすっきりする前に未亡人になっています」

 なんか無茶苦茶れいむらしいエピソードだ。金バッジでもれいむはれいむと言うことか。

「本ユンに全く悪気がないのである意味、研究がしやすいんですが」

 職員が失笑している。

 これからの研究としては今は餡子でしか繁殖しないゆっくり茸をチョコレートや生クリームでも繁殖出来るようにする事、だそうだ。

 そんな説明を思い出しながら家路につく自分の足元を子供を頭に乗せたゆっくり一家が走り抜けていく。

「あまあまのにおいがするぜ!」

「ゆゆん。ゆっくりできるよ」

 本当にゆっくりにだけ効くみたいだな。

「一回、敷地内に入ったゆっくりは二度と出ないようにしてありますからご安心ください」

 と言うことはあの家族は残りの時間は施設内で過ごすのか…… それも良いかもしれないな。3ヶ月に1回はゆっくり大移動があるが、3ヶ月生きていけるんなら、野良ゆっくりにしてみれば長生きだろう。自分はまた歩き出した。

【あとがき】
去年の夏からクエス=アリエスに移住しているよ。
でもまだオゥランディにいるよ。
でいぶ、おばかでごめんねー