その夜……ゆっくり的に夜でも人間的には黄昏時にもなっていない頃、おうちの中で家族に向かってまりさは高々と宣言しました。

「あしたはくそにんげんがほりかえしたはたけさんにいって、かるぼさんをやまほどかってくるぜ」


 勿論、まりさが言っている「かるぼ」さんは人間の言うところのパスタではなくて、ミミズのことです。


 もうミミズを「かるぼ」さん扱いにしているところで判ると思いますが、このまりさは生粋の野良ゆっくり。

 番のれいむは母親は銀バッジ持ちだったのに、「わいるどなまりさ(笑)」に誘惑され、よろめいて「げっとわいるど(更に笑)」して、作ったれいみゅとまりちゃを残して「おたべなさい」して一足先に「おそらのゆっくりプレイス」に移住してしまった……ある意味、れいむ種にしては要領の良いれいむでした。

 が、このれいむは要領の良い母れいむではなく、飼いゆっくりを誘惑して飼いゆっくりに成り上がろうとした父まりさに似ていたのです。

 
そうです、筋金入りのお馬鹿さんでした。


「どうやってかるぼさんをおさげにいれるの? くそにんげんがいるよ」


「れいむ、くそにんげんはまりささまたちゆっくりがいくらこえをかけてもへんじをしないだろう?」


「そうだよ、くそにんげんはごあいさつもしないよ」


 まりさの言葉にれいむが憤慨します。憤慨しますが、野良ゆっくりの「あまあまをちょうだい」だの「おちびちゃんはゆっくりできるよ」だの「かいゆっくりになってあげるよ」

 なんていう鳴き声に一々反応するほど、人間は暇ではないのです。でも、そんなことすら思いつかないのが野良ゆっくりの野良ゆっくり足る理由でしょう。


「そこでまりさはきがついたぜ」


 まりさが胸を張ります。生首饅頭ですが胸を張ります。それはどう見ても顎をしゃくっている様にしか見えませんが、ゆっくり的には胸を張っていました。


「くそにんげんにはまりさたちゆっくりがみえないんだぜ」


 まぁ、ある意味当たっているでしょう、人間は野良ゆっくりを出来るだけ見ないように生活しています。

 そこにはいない、何も聞こえない。うるさすぎたら駆除を頼む。ただ、自分一人で駆除を頼んだら、その費用は自分で払わなければいけない。

 でも10家庭以上が連名で駆除を頼んだら市役所や区役所など公的機関が公費を出して駆除してくれる。

 だから最低限10家庭が苦情を言い出すまで、全員が無言で我慢しているだけ。そんな事すら知らないまりさの宣言に


「そうだよ、まりっさのいうとおりだよ。さすがはれいむのだーりんさまだよ」


 れいむが手放しで褒め称え、まりさは更にしゃくりあげるのでした。




 沢山のめーりん。整列しためーりん。の前にぺこんぺこんと跳ねながら表れたのは、リボンに加工所発行の銀バッジをつけたれいむだった。

 結局。というのかあっさりと銀バッジがとれたれいむはしばらく銅バッジを銀バッジに変えず、内緒すっきりを迫るゲスまりさにすっきりを強制された時にすぐさま加工所出張所に連絡を取り(防犯ベルみたいな物らしい)ゲスまりさ捕獲に一役買ったらしい。

 そういう目で見ると一回り大きくなったように見えるが、単にシリコン製おくるみを下半身にはいているからだろう。


「めーりんたち、ゆっくりしていってね」


「じゃおーん」


 れいむの挨拶にめーりん達が元気よく返事をしている。


 「ゆっくりしていってね」に「じゃおーん」と答えるめーりんを馬鹿にするゆっくりが多いがこのれいむは全く気にしていないらしい。さすが銀バッジというのか、腐っても銀バッジと言うべきか